山梨大学医学域へのご支援・ご寄附について
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2020/9/29(火)
排尿困難、頻尿、尿失禁などの「おしっこ」にまつわる問題は、加齢とともに罹患率が高くなることもあり、超高齢社会において質の高い生活を送る上で重要な問題となっています。現在も「おしっこ」にまつわる症状に対して様々な治療法がありますが、十分な効果が得られない患者さんが少なからずいます。山梨大学医学部泌尿器科学講座は、従来よりこの分野のトップランナーとして走ってきましたが、今後も世界最先端の研究をいきます。
1.光遺伝学:脳への光スイッチで「おしっこ」を自在にコントロールできるようになるかもしれない!(図1)
「おしっこ」にまつわる膀胱や尿道の機能は、脳などの中枢神経で制御されています。そのため、排尿困難、頻尿、尿失禁などの症状も脳による制御の状態を解明し、脳からの信号を自在に制御することで「おしっこ」にまつわる問題を解決することができる可能性があります。
山梨大学医学部泌尿器科学講座では、神経生理学講座と共同でマウスの脳への光刺激によって膀胱や尿道の機能を自在に制御する研究を行っています。本研究の成果は、脳機能を利用した将来の新しい治療法につながると考えています。
2.時計遺伝子:時計遺伝子の治療で夜の「おしっこ」が近いのを治すことができるかもしれない?!(図2)
夜間頻尿は、夜間睡眠中にトイレに起きることを言いますが、睡眠不足など生活の質に影響を与えること、転倒などの危険性が増し、場合によっては生命予後にも影響を与えることなど問題があります。一方、生体内の概日リズムを制御している時計遺伝子の異常によって様々な疾患を引き起こされることが知られています。山梨大学医学部泌尿器科学講座では、免疫学講座、薬理学講座と共同で夜間頻尿が膀胱における時計遺伝子の異常によって生じることを明らかにしてきました。現在は、従来からの研究成果をもとに、夜間頻尿の新規治療の探索に取り組んでいます。
3.メタボロミクス解析:「おしっこ」にまつわる症状に関連した新しい物質は何だろう?(図3)
排尿困難、頻尿、尿失禁などの「おしっこ」にまつわる症状に対して、主な治療として薬物療法が行われていますが、治療効果が十分に得られない方が少なからずいます。そのため、新規薬剤の開発が期待されるところです。
山梨大学医学部泌尿器科学講座では、様々な物質を網羅的に探索できる手法(メタボロミクス解析)を用いて、「おしっこ」の症状に関連する物質の探索を行ってきました。いくつかの候補物質が上がっていますが、現在は詳細に解析し、新規薬剤につながるか検討を行っています。
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【代表研究者】
泌尿器科学講座
教授 三井 貴彦
E-mail:urology@yamanashi.ac.jp
電 話:055-273-9643 FAX:055-273-9659
詳しくは泌尿器科学講座のホームページをご覧ください。
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